抜歯は歯医者と口腔外科で何が違う?
難しさと麻酔・設備【市川】
健診で「親知らずが横向きに埋まっている」と言われた、子どもの永久歯が骨の中で止まっていると分かった。抜歯が必要になったとき、「いつもの歯医者で抜いてもらえるのか、口腔外科のある病院まで行くべきなのか」は、多くの方が最初に迷うところです。口の中の小さな手術が当日どう進むかは小手術の流れと通院回数をまとめた記事で、口腔外科で扱う処置の一覧は口腔外科のページに掲載しています。
この記事では、抜歯は歯医者と口腔外科で何が違うのかを、抜歯の難しさ、麻酔、設備、術後の体制という切り口で比べていきます。抜歯と一口に言っても、ぐらついた歯を抜く場合と、骨に埋まった歯を取り出す場合とでは、必要な準備がまったく違います。その違いを知っておくと、「どこで抜くか」の相談がぐっと進めやすくなります。市川でご家族の抜歯について考えている方の参考になれば幸いです。
抜歯の難しさは
「見えている歯か、埋まった歯か」で変わる
日本口腔外科学会は、抜歯について「抜歯は顎の骨に生えている歯を抜くことですから、立派な手術の一つです」と説明しています(参照:日本口腔外科学会「手術、手技に関して」 https://www.jsoms.or.jp/public/disease/setumei_syujyutu/ )。どの抜歯も手術であることに変わりはありませんが、その中でも準備の重さには大きな幅があります。
普通の抜歯と、外科的な抜歯
歯ぐきの上に歯の頭がしっかり見えていて、根もまっすぐな歯であれば、器具で歯を少しずつ揺らして抜くことができます。これが一般に「普通の抜歯」と呼ばれるものです。
一方、歯が骨に埋まっている、横向きに倒れている、根が大きく曲がっているといった場合は、歯ぐきを切って開き、周りの骨を少し削ったり、歯を分割したりして取り出します。こうした抜歯は処置の手順が増え、時間もかかるため、外科的な抜歯として区別されます。
難しさを左右する要素と確かめ方
| 要素 | 難しくなりやすい状態 | 確かめる方法 |
|---|---|---|
| 歯の位置と向き | 状態:骨や歯ぐきに埋まっている、横や斜めに倒れている | 確かめ方:顎全体のレントゲン、歯科用CT |
| 根の形 | 状態:根が曲がっている、何本にも分かれて広がっている | 確かめ方:レントゲンで根の本数と曲がり方を見る |
| 近くの神経や空洞との距離 | 状態:下の奥歯の根が神経の通り道に近い、上の奥歯の根が上顎の空洞に近い | 確かめ方:歯科用CTで立体的な位置関係を測る |
| 口の開き具合 | 状態:口を大きく開けにくく、奥まで器具が届きにくい | 確かめ方:診察で開く幅を確かめる |
| 全身の状態 | 状態:心臓や血圧、血液の病気がある、血を止まりにくくするお薬を飲んでいる | 確かめ方:問診とお薬手帳、必要に応じて主治医への照会 |
このうち上の4つは「歯と骨の条件」、最後の1つは「体の条件」です。同じ親知らずでも、歯の条件はやさしくても体の条件のために病院が適していることもあれば、その逆もあります。親知らずを抜く年齢や時期の考え方は、次の記事でご紹介しています。
麻酔・画像検査・術後の体制を
比べてみる
抜歯の難しさが分かると、次に考えるのは「どんな麻酔で、どんな設備のもとで、術後はどう見守るか」です。ここが、一般の歯科医院と病院の口腔外科とで違いが出やすい部分です。どれを選ぶかは、抜歯の難しさだけでなく、ご本人の不安の大きさや体の状態も合わせて決めます。
麻酔の選択肢
局所麻酔
抜く歯の周りだけを麻酔する方法で、多くの抜歯はこれで行えます。意識ははっきりしたままですが、痛みは感じにくくなります。同学会は、局所麻酔について「抜歯の際の局所麻酔は全身にある程度の影響を与えるため、なにか病気をもっている人(有病者)、とくに心臓病や高血圧症などの循環器疾患、肝臓病、糖尿病、血液疾患などをもっている人は注意が必要です」としています。持病のある方は、抜歯の日を決める前にお知らせください。
静脈内鎮静
点滴からお薬を入れて、うとうとした落ち着いた状態にしたうえで局所麻酔を行う方法です。処置への怖さが強い方や、時間のかかる抜歯で選ばれることがあります。対応しているかどうかは医院によって異なり、処置中は血圧や呼吸の状態を見守る体制が必要です。
全身麻酔
完全に眠った状態で行う方法で、埋まった歯を複数まとめて抜く場合や、全身の管理が必要な場合に選ばれます。麻酔の専門の医師や入院の設備が必要なため、主に病院の口腔外科で行われます。
抜歯の内容で変わる準備のちがい
| 比べる点 | 見えている歯の抜歯 | 埋まった歯・神経に近い歯の抜歯 | 入院が望ましい抜歯 |
|---|---|---|---|
| 主な麻酔 | 見えている歯:局所麻酔 | 埋まった歯:局所麻酔(希望や状態により鎮静を併用) | 入院:全身麻酔 |
| 事前の画像 | 見えている歯:歯のレントゲン | 埋まった歯:顎全体のレントゲンと歯科用CT | 入院:CTに加え、全身の検査 |
| 処置の手順 | 見えている歯:器具で揺らして抜く | 埋まった歯:歯ぐきを開き、骨を削る・歯を分けて取り出し、縫い合わせる | 入院:複数の歯や広い範囲をまとめて処置する |
| 主に受ける場所 | 見えている歯:身近な歯科医院 | 埋まった歯:体制の整った歯科医院、または病院の口腔外科 | 入院:病院の口腔外科 |
| 術後の見守り | 見えている歯:止血を確認して帰宅 | 埋まった歯:腫れのピークを過ぎるまで連絡の取れる体制、消毒と抜糸 | 入院:病棟で経過を見て退院 |
表の真ん中の列にあたる抜歯は、歯科医院で行う場合もあれば、病院に紹介される場合もあり、判断が分かれやすいところです。その分かれ目になるのが、CTで確かめた神経との距離と、全身の状態です。
術後に連絡の取りやすい体制か
埋まった歯の抜歯では、腫れや痛みが翌日から数日かけて強くなることがあります。その間に「この腫れ方は普通なのか」と不安になったとき、すぐに相談できるかどうかは、抜く場所を選ぶうえで見落とされがちな点です。休日や夜の連絡先、消毒や抜糸の日程の組みやすさも、あわせて確かめておくと安心です。
市川で「どこで抜くか」を
決めるための相談
「どこで抜くか」は、最初から決めておく必要はありません。まず画像で歯と骨の条件を確かめ、体の条件を聞き取ったうえで、院内で行うのがよいか、病院の口腔外科へつなぐのがよいかを一緒に決めていきます。市川市にお住まいの方はもちろん、お買い物のついでに市川駅周辺で相談先を探している方もお気軽にどうぞ。
「どこで抜くか」が決まるまで
- レントゲンと歯科用CTで、歯の位置・根の形・神経や空洞との距離を確かめる
- 持病とお薬を確認し、必要があれば主治医に照会する
- 麻酔の方法や、処置への不安についてのご希望を伺う
- 院内で行う場合は日程を、紹介する場合は紹介先と紹介状の内容をご説明する
抜歯の日までに整えておきたいこと
院内で抜くことが決まったら、処置の日に向けて体調と予定を整えておくと、当日も術後も過ごしやすくなります。日本口腔外科学会も、抜歯の前日は睡眠を十分にとって体調を整えることをすすめています。
- 前の晩はしっかり眠り、当日は食事をとってから来院する
- 処置の翌日から2〜3日は、人前で話す予定や激しい運動を入れないようにする
- 熱がある、風邪をひいているなど体調がすぐれない日は、無理をせず日程を相談する
- 鎮静を使う場合は、当日の車や自転車の運転を控え、帰りの手段を決めておく
- 柔らかく、熱すぎない食事をあらかじめ用意しておく
埋まった歯の抜歯では、腫れが出たときに冷やしすぎないことや、処方されたお薬を指示どおりに飲むことも、回復を助ける大切な点です。具体的な過ごし方は、処置の日に書面でもお渡しします。
ご家族の抜歯を一緒に考えるときは
お子さんの埋まった歯や、ご高齢のご家族の抜歯では、付き添う方が説明を一緒に聞いておくと、術後の様子を見守るときに役立ちます。腫れが出やすい時期に学校や行事、介護の予定が重ならないよう、日程の相談にも応じています。
当院でご対応できること
- 市川駅南口から歩いて7分ほどで、駐車場も利用できます。年中無休・夜20時30分までの診療なので、処置の翌日の予定に合わせて日を選べます
- 歯科用CTを院内に備え、抜く歯と神経・空洞との距離を画像でお示ししながら、院内で行うか紹介するかをご説明します
- 入院や全身麻酔が望ましいと判断した場合は、画像と所見を添えて病院の口腔外科へおつなぎします
- 個室の診療室で、付き添いのご家族と一緒に説明を受けていただけます
- ご予約はLINEとネットから。抜歯後に気になることがあれば、お電話でご相談ください
よくある質問
親知らずの抜歯は、近くの歯医者と口腔外科のある病院のどちらで受けるのがよいですか?
骨に埋まった歯を抜くときは、入院が必要になりますか?
抜歯がとても怖いのですが、眠っている間に抜いてもらうことはできますか?
血を止まりにくくするお薬を飲んでいます。抜歯はできますか?
上の奥歯を抜くと、鼻に影響が出ることがあると聞きました。
まとめ|抜歯の歯医者と口腔外科の違いは
難しさに合わせた麻酔・設備・術後の体制
抜歯は歯医者と口腔外科で何が違うのかは、抜く歯の条件によって答えが変わります。見えている歯の多くは身近な歯科医院で局所麻酔のもとに抜けますが、骨に埋まった歯や神経に近い歯では、CTでの事前の確認や、歯ぐきを開いて骨を削る処置、術後の見守りが必要になります。入院や全身麻酔が望ましい場合は病院の口腔外科で行います。違いは場所の名前ではなく、難しさに合わせた準備にあります。
市川で抜歯の相談先を迷われている方は、まず画像で歯と骨の条件を確かめるところから始めましょう。
抜歯を受ける前に知っておきたい注意点
注意点
- 抜歯のあとは、腫れ・痛み・出血・内出血によるあざが出ることがあり、埋まった歯ほど数日長引く傾向があります
- 下の奥歯では、神経の近くを扱うことで、唇や舌にしびれが残る場合があります
- 上の奥歯では、抜いた穴が上顎の空洞とつながることがあり、追加の処置が必要になる場合があります
- 抜いた穴の血のかたまりが早くに取れると、数日後に強い痛みが出ることがあります
- 画像検査や全身の状態によっては、院内では行わず、病院の口腔外科をご紹介することがあります
おおよその費用
抜歯は、治療を目的とするものであれば健康保険の対象です。保険の点数は、前歯か奥歯か、普通の抜歯か骨に埋まった歯の抜歯かといった処置の内容によって分かれており、そこに画像検査やお薬の点数が加わって、負担割合に応じた額が窓口でのお支払いになります。抜く歯の条件は画像で確かめるまで決まらないため、一律の金額はお示ししていません。日程を決める前に、処置の内容とあわせて目安をお伝えします。
抜歯の日のお会計も、現金かクレジットカードでお済ませいただけます。
記載理由
医療広告ガイドライン(平成30年6月1日施行)の趣旨に沿い、抜歯を歯医者と口腔外科のどちらで受けるか迷っている方が、難しさの目安と麻酔・設備・術後の体制の違いを知ったうえで相談できるよう述べています。
※抜歯の難しさや術後の経過には個人差があります。
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監修 / 医療法人社団 翔翼会
理事長 村上 翔 - 私たちが実践するのは、あなたを“患者”ではなく「お客様」として丁寧にもてなすホスピタリティと、「大切な家族や友人にしてあげたい診療」です。大学病院レベル以上の設備と衛生環境を整え、一人ひとりのお客様に心から寄り添いながら納得していただけるベストな治療法をご提案してまいります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。抜歯の難しさや適した麻酔の方法は、画像検査と全身の状態を確かめてから決まります。抜歯について迷われたときは、歯科医院でご相談ください。
患者様の満足度調査を
実施しております。
少しでも患者様にとってより良い⻭科医療を提供するため、 第三者機関のNPO法人 日本⻭科医療評価機構に依頼をし、患者様の満足度調査を行っています。 患者様の率直なご意見をいただき、 改善すべき点は真摯に受け止めていきたいと思っています。当院には患者様の個人情報は一切伝えられませんので、是非、皆様の忌憚のないご意見をお聞かせください。NPO法人日本⻭科医療評価機構の調査結果はバナーよりご確認ください。
日本⻭科医療評価機構は、ネットで⻭医者を検索してみたが、どこに行けばいいか分からない、 診療時間や場所のメリットだけではなく、本当に信頼して通える⻭医者を探したい、 そんな患者様のために本当に信頼して通える⻭科医院を評価・認定することを目的とした組織です。